「明日の広告」

「明日の広告」を読んだ。
次世代広告系の本を読んで、すがすがしい気持ちになれたのは初めてかもしれない。


インターネットの隆盛によるメディアのパワーバランスの変化、
ひいては消費者のメディアへの接し方の変化をポジティブに捉えた一冊。
必ずしも「テレビCM崩壊」というわけではなく、
メディアの個性をより重視すべき時代になってきているということ。


冒頭では、広告・メディアと消費者の関係をラブレターにおきかえて説明してくれる。
これがとってもわかりやすい。
かっこつけた書き方をしていない分、すんなりと入ってくる。
また、著者はスラムダンクの一億冊突破キャンペーンを手がけた人で、
そのときの仕事の成り行きをまるでプロジェクトXのように読ませてくれる。
正直、ちょっと泣きそうになった。
こんな仕事してみたい。


以下覚書。

●消費者のことを第一に考え、メディアをニュートラルに選択する。
●インターネット全盛の時代では、「AIDMA」ではなく「AISAS」という消費行動モデルもある。 
(自分の「明日の広告」購入を例にとって説明すると、 
 「A」「I」=広告系ブログでレビューを読む 
 「S」=他のブログを検索&Amazonレビューを見る  
 「A」=紀伊国屋書店で買う  
 「S」=こうしてブログに書く  
 といったところか。)  
●クレバーな仕組みの上にクレバーなクリエイティブをのせがちだけど、  
 フールな表現ほど相手の心に届く。  
●企業の都合で、消費者には絶対届かないようなキャンペーンを求められることもある。  
 もちろんそれに応じた仕事をしないといけない。 
 だが、あくまで消費者本位の案もオススメ案として提案し続けるべきだ。